チェーンの掃除は手が真っ黒になるので、できれば注油だけで済ませたいと思ったことはありませんか?
結論から言うと、汚れが残ったまま油を足すと砂やホコリを巻き込んでしまうので、注油だけでは足りません。
ただ、手が汚れるのを我慢しながらやる必要はないんです!
汚れないよう準備をしておけば手も服も真っ黒になりませんし、作業は慣れれば15分ほどで終わります。
チェーンメーカーが言っていることと、私が7年続けているやり方の両方をまとめました。汚れを防ぐ道具と服装も、写真つきで紹介します。

3年間まったく掃除せずに、チェーンを交換するはめになった話もします。同じ失敗をする人が少しでも減りますように!
バイクのチェーンは注油のみでOK?
注油だけで済ませていいのかどうか気になりますよね。
結論から言うと、チェーンのメンテナンスは注油だけでは足りません!
注油だけでは汚れは落ちない

理由はシンプルで、油を足しても汚れそのものは落ちないからです。
チェーンに付いている黒い汚れの正体は、古くなったオイルに砂やホコリが混ざったもの。
そこへ新しい油を重ねると、砂を巻き込んだままチェーンを動かすことになります。
汚れを落としてから油を足す、が正しい順番です。

私も乗りたてのころは、注油だけしておけば大丈夫だと思っていました…。
注油不要って本当?
「不要」と言われるのは、今のバイクの多くがシールチェーン(Oリングなどでチェーン内部にグリスを密封したタイプ)だから。
昔のチェーンに比べて、確かにメンテの手間は減りましたが、密封されているのは「内部」だけ。つまり、外側のローラーやプレートは、走れば汚れるし、注油しないとサビたり動きが渋くなったりします。
つまりメンテナンスをまったくやらなくていい、ではないんです。
完全なメンテフリーのチェーンもありますが、定期的な掃除と注油は必要、と覚えておけばOKです。
チェーンメーカーのサンスターは、注油の目的をこう説明しています。
注油の一番の目的は“シールリング”の保護。走行中のチェーンは前後スプロケットの外周に沿って屈曲運動しながら高速で駆動している。これによりチェーンは発熱し、厳しい走行環境下では80℃を超えることもあり、封入されているグリスやシールリングの炭化に繋がることがある。
出典:WEBヤングマシン「チェーンに注油、する? vs しない?【サンスターに聞く!】」
つまり注油は、シールリングを守るためのもの。シールリングが切れると中のグリスが流れ出して、最悪の場合ピンが焼き付いてチェーンが切れます。
神経質にならなくていいですが、チェーンの寿命を伸ばすためにもメンテナンスは必要、ということですね。
3年サボって交換になった話
正直に言うと、私はバイクを買ってから3年間、一回もチェーンを掃除しませんでした。
そして3年後、チェーンをRKのゴールドチェーンに交換しています。
走った距離はおよそ6000km。メンテナンスが必要とは思っていましたが、掃除をサボった+屋外保管のコンボで、チェーンがめちゃくちゃ錆びてしまいました。
カスタム欲が高まり「ゴールドのチェーンに変えたいな」と夫に相談すると、チェーンを見た夫が絶句して「めちゃ伸びとる!今すぐ交換や!」と言われました…。
- サビる:動きが鈍くなる
- チェーンが伸びる
- 変速や走りがスムーズにできなくなる
- 最悪、走行中に切れる

3年ノーメンテだった私が言うのもなんですが、よく無事だったなと思います…。
めんどくさいの正体は汚れ
チェーンメンテでいちばん「うっ…」となるのが、汚れ。
手が真っ黒になるのはもちろん、油が腕や足に飛ぶと、お風呂でもなかなか落ちませんよね。
手の汚れを最小限におさえる方法を知っていれば、作業のハードルは一気に下がります。
手が真っ黒になる
翌日の仕事で、自分の腕に見覚えのないホクロがある…と思ってよく見たら、チェーン清掃のときの油だった、なんてこともありました…。

肌に付いた油は、ボディーソープだけだと完全に落ちないことがあります。化粧落としのオイルクレンジングを使うと、キレイに落ちますよ。

クレンジングはお手持ちのものでOK!オイルクレンジングのほうがキレイになります。
汚れない服装と手袋
何も考えずに白いTシャツで作業したら、クリーナーやオイルが飛び散って、服が油だらけに。洗ってもみ洗いしても取れず、泣く泣く捨てるハメになりました…。
同じ思いをしないために、汚れても大丈夫な最低限の服装をまとめてみました。
- 汚れてもいい服&長袖・長ズボン:肌の露出を減らす
- ゴム手袋(or 使い捨て手袋):手の黒ずみを防ぐ。軍手は油が貫通する。ネイルしている人は手袋マスト
- エプロン・古い服の重ね着:白物・お気に入りは避ける
手袋は100均やホームセンターのゴム手袋で十分です。1回でかなり汚れますが、2〜3回は使えます。
ここで気をつけたいのが、バイク用のグローブは使わないこと。バイク用グローブは運転用なので、指先の細かい作業にはまったく向きません。
お気に入りのグローブを汚してしまうことになります。


ネイルをしている方は手袋がマストです!
周りを汚さない養生
床やバイク周りに油が垂れるのも防ぎたいところ。でも、メンテナンスマットはもったいなくて、気軽に使えないですよね。
養生といっても大げさなものは要りません!
自宅にあるものだけで簡単に対策できます。
- チェーンの下に古新聞や段ボールを敷く:垂れたオイル・クリーナーをキャッチ
- 風向きに気をつける:斜め後ろから作業すると◯
- 屋外や換気のいい場所で:クリーナーのにおい・成分対策にも

バイクの前から風を受けるようにし、自分は斜め後ろからチェーンを清掃するようにすると、自分もバイクも汚れにくくなります。
道路でチェーン清掃をする人にありがちですが、排水溝に垂れ流すのは絶対にNG。生態系の汚染にもつながりますし、何よりご近所の目が良くないです。
少し流れてしまうのは仕方のないことですが、下に段ボールや新聞紙、使わないウエスなどを敷いて、周りに配慮してメンテナンスしましょう。
チェーンメンテのやり方!洗浄から注油まで【写真つき】
やることはシンプル。①後輪を浮かせる ②汚れを落とす ③拭き取る ④注油するの4ステップ。まずは道具をそろえましょう。

- 専用チェーンクリーナー:パーツクリーナーはNG
- チェーンルブ:注油用のオイル
- チェーンブラシ:歯ブラシは×。チェーン専用ブラシを。3面ブラシがあればさらにラク
- ウエス(いらない布・古タオル)
- メンテスタンド:後輪を浮かせる
- 手袋・汚れてもいい服 ※超大事
道具の選び方はのちほど解説するので、ここではサッと手順を見ていきましょう。

手順は大きく4つだけ。慣れれば15分ほどでできますよ!写真と動画で順番に見ていきましょう。
①後輪を浮かせてチェーンを回せるようにする
チェーン全体を掃除するには、後輪を浮かせてタイヤを手で回せる状態にします。
センタースタンドがあればOKですが、センタースタンドが無いバイクや「センスタを踏み上げるのが重い…」という人は、メンテスタンドがあると圧倒的にラクです。
力が無くても安全に後輪を浮かせられます。

グロムとR3では、グロムのほうがチェーンが細くて短いぶん、断然ラクです。同じ作業でも車種で体感が変わりますよ。


②専用クリーナーとブラシで汚れを落とす
チェーンに専用クリーナーを吹きかけて、ブラシで汚れをこすり落とします。
後輪を少しずつ回しながら、まずは外側から磨いていきます。外側が終わったら、内側もこすりながら1〜2周させます。
チェーンのコマ(つなぎ目)を目印にすると、何周回したかがわかりやすいですよ。
こすり終わったら、タイヤをクルクル回しながらクリーナーを1〜2周かけて汚れを落とします。


クリーナーが付着したままだと、ルブが流れてしまうので、水で洗い流します。
③ウエスで拭き取る
ウエス(いらない布)で汚れとクリーナーをしっかり拭き取ります。
ここで汚れが残っていると、注油してもまたすぐ汚れの原因に。チェーンがきれいになったのを確認しましょう。
布でチェーンをはさみながら、タイヤを回して拭き取ると楽です!

拭き取った後は最低30分おいて乾燥させます。冬など乾きにくい季節は、1時間以上みておくと安心です。

7月にやったときは、見た目には10分ほどで乾いていました。それでも念のため30分は待つようにしています。
④チェーンルブを注油する
最後に、チェーンルブ(オイル)をチェーンの内側に1〜2周ぶん吹きかけます。後輪を回しながら、均一につくように。
ルブを吹き付けた後、オイルを全体になじませたいときは、ギアを1速に入れて、アイドリングでゆっくり後輪を回すとラクです。
※絶対に手や布をチェーン・スプロケットに近づけないでください(巻き込み防止)。注油と拭き取りの作業そのものは、必ずエンジンを止めてから行いましょう。
ただしエンジンをかけるのは、なじませるこのときだけです。
クリーナーを吹く・ブラシでこする・ウエスで拭き取る作業は、必ずエンジンを止めてから行ってください。
なじませたら、はみ出した余分なオイルはウエスで軽く拭き取ります(付けすぎは汚れのもと)。

(後から撮影したので下に何も敷いてません)

注油が終わったら、その日はもう走りません。油がなじむ前に走ると、せっかくの油が飛んでしまうので、アイドリングでなじませるところまでにしています。


これで完了です! ドロドロだったチェーンがきれいになると、思わず「やってよかった」と気持ちよくなりますよ。
メーカー推奨と私のやり方は違う
公式の手順を紹介したうえで、私が実際にやっている方法との違いも正直に書きますね。
真似する前に読んでほしいところなので、少し丁寧にいきます。
実はメーカー推奨のやり方もバラバラ
RK(アールケー・ジャパン)の公式サイトを見ると、汚れの程度で3段階に分けて説明されています。
| 汚れが軽いとき | 汚れがひどいとき | |
|---|---|---|
| RK | クリーナーを吹いたウエスでチェーンを包み、軽くしごくように拭く | 養生してから全周に吹き付け、落ちなければ柔らかいブラシでこすり落とす |
| AZ | チェーンに吹く → 付属ブラシ → もう一度吹く | 同左 |
| 仕上げ | 綺麗なウエスでクリーナーを拭き取る | 速乾性パーツクリーナーを使うと早く乾く |
| 水洗い | 記載なし(高温高圧洗浄機はNG) | 水洗い不要 |
つまりクリーナーを直接吹くのは、汚れがひどいときの手順。普段の軽い汚れなら、布に吹いて拭くだけでいいんですね。
クリーナーを布で拭くのはめんどくさい
とはいえ、クリーナーを布に吹いて拭く方法はめんどくさいですよね。

汚いチェーンを布で拭くのはなんだかもったいない気がしてしまいます…。
一方、AZ(チェーンクリーナーのメーカー)は、チェーンクリーナーを直接チェーンに吹き、ブラシを使う方法を推奨しています。

チェーンにクリーナーを直接吹く方法は間違いではないってことですね。
なので、2通りのやり方をまとめてみました。お好きな方で大丈夫です!
- 手軽にやりたい:直接クリーナーを吹いて布で拭き取る
- 用途を分けるのがめんどくさい:直接クリーナーを吹いてブラシでゴシゴシ
どちらもメーカーが書いている方法なので、安心して選んでくださいね!
水洗いはやってもやらなくてもOK
私はクリーナーを直接吹いて、ブラシでこすって、最後に水で洗い流します。夫に教わったやり方で、7年ほど、10回以上続けています。
私がわざわざ水まで使うのには、はっきりした理由が2つあります。
- クリーナーが残ったままルブを吹くと、油が薄まって効果が落ちるから
- なじませるときのアイドリングで、ルブとクリーナーの汚れが飛んでホイールが汚れるから

メーカーのHPでも「クリーナーが付着した状態でチェーンルブを注油しても走行時に飛び散りやすくなる」と書いていました。
つまりメーカーが言う「クリーナーは確実に拭き取る」と、目的は同じ。拭き取るか、水で流すかの違いだけなんですね。

水洗い不要と書いてあっても、どうせやるなら洗車ついでに、といつも流しています。季節によっては水が乾きづらくなるので、乾かす時間は調整しています。
なので水洗いは、やってもやらなくてもOKです。
ウエスでしっかり拭き取れば十分なので、クリーナーが残っているのが気になる人だけやってみてくださいね。
いつやる?頻度とタイミング
どれくらいの間隔でやればいいのか、目安と私の判断基準をまとめました。

距離や月1とは別に、これをしたらすぐというタイミングもあるんです。
目安は500〜1,000kmごとか月1回
一般的な目安は、走行距離で500〜1,000kmごと、または月に1回くらい。どちらかわかりやすいほうでOKです。
あまり乗らない人は月1回を基本に、たくさん走る人は距離でも管理を。
覚えやすいタイミングに紐づけて習慣化するのがおすすめです。
ちなみに、私が3年サボったときの6000kmは、6回から12回ぶんをまるごと飛ばした計算になります。
そりゃ夫も絶句するわけですね…。
雨のあと・梅雨明けはできるだけ早めに
距離や月1の目安とは別に、できるだけ早めにやったほうがいいタイミングもあります。

私は昔に屋外保管をしていたので、走っていなくても雨上がりの湿気でチェーンが錆びていました…。
- 雨の中を走ったあと:サビやすくオイルも流れ落ちがち
- 梅雨明け:長雨のあとはチェーンがドロドロ
- ガッツリ洗車をしたあと:水や洗剤でオイルが落ちるので注油はマスト
- 久しぶりに乗る前:長期保管のあとはサビ・汚れをチェック
いちばん確実なのは汚れ具合で判断
距離や日数よりも、実際の汚れ具合で決めるほうが確実です。
「雨が降った後すぐになんてできない…」「忙しくてこまめな時間は取れない…」という人にオススメです。
汚れてきたらメンテを習慣化すると、タイミングを自分で決めることができます。

コマのところに細かい黒いホコリがいっぱい付いてきたら、そろそろメンテ時かなと思っています。
私は梅雨明けや季節の変わり目に最低でも1回メンテナンスすることにしています。
道具の選び方!パーツクリーナーは専用を選ぶ
チェーンメンテの道具は、一度そろえてしまえば長く使えます。ただ、選び方をまちがえると逆にチェーンを傷めることもあるので、大事なポイントだけ押さえておきましょう。

道具は最初にそろえれば、あとはずっと使えます。失敗しない選び方のポイントを!
一般のパーツクリーナーで代用しちゃダメ?
初心者がやりがちな落とし穴なんですが、普通のパーツクリーナーでチェーンを洗うのは絶対にやめてください。
理由は、今のバイクの多くがシールチェーンだから。
チェーン内部のグリスを密封しているOリング(ゴムのパッキン)を、強力な一般パーツクリーナーの溶剤が傷めてしまうんです。
Oリングが傷むと、内部のグリスが抜けてチェーンの寿命が縮んでしまいます。
なので、選ぶべきは「シールチェーン対応」と書かれた専用のチェーンクリーナー。
ゴムにやさしい成分になっているので、安心して使えます。「安いから」と一般のパーツクリーナーを選ばないでくださいね。
ちなみにRKは、灯油・ガソリン・ブレーキクリーナー・ワイヤーブラシ・高温高圧洗浄機も使わないよう書いています。
シールチェーンの洗浄には防錆剤・灯油・ガソリン・ブレーキクリーナー等の揮発系溶剤・ワイヤーブラシ・高温高圧洗浄機等を使用しないでください。シールリングを傷つけ、劣化させますので、チェーンの寿命が短くなってしまいます。
出典:アールケー・ジャパン株式会社「チェーンのメンテナンスについて」
チェーンルブ・ブラシの選び方

チェーンルブ(注油オイル)は、専用品ならお好みでOK。
私が使っているのはMOTUL(モチュール)のチェーンルブで、Amazonでもバイク用品店でも手に入りやすくて定番です。
粘度やタイプ(ウェット/ドライ)で好みが分かれますが、最初は定番のスプレータイプを選んでおけば失敗しません。
クリーナーとブラシは、私はAZ MCC-002 チェーンクリーナーを愛用中。クリーナーとブラシがセットで販売されていて、コレを買えばすぐに清掃ができちゃいます。
ブラシを別で買うなら、普通の細めのブラシでOK(あれば3面ブラシがさらに便利)。4本で3000円くらいなので超お買い得。

ちなみに、チェーンクリーナーは今回の清掃で約0.5本分使いました。前回のメンテナンスから2か月くらいしか経ってません。消耗品なのでまとめ買いがオススメです!
- 専用チェーンクリーナー(シールチェーン対応・ブラシ付きが便利)
- チェーンルブ(クレなど定番のスプレータイプ)
- チェーンブラシ(普通ので可・3面ならなおラク)
- ウエス(古布)・ゴム手袋・古新聞(汚れ対策)
- メンテスタンド(後輪を浮かせる用)
まとめ!注油だけで済ませたい人へ
チェーンメンテは、やる前が一番ハードルが高いんですよね。
汚れそうで面倒そうに見えて、私も3年間そう思って放置していました。
- 注油だけでは足りない:汚れを落としてから油を足すのが正解
- 注油の目的はシールリングの保護:切れるとグリスが流れ出す
- 汚れ対策が9割:ゴム手袋と養生さえ用意すれば手も服も真っ黒にならない
- 手順は4ステップ:浮かせる→クリーナーとブラシ→拭く→注油
- メーカーの手順は汚れの程度で違う:普段は布に吹いて拭くだけでOK
やることが多いように見えて、慣れれば15分。しかも一番きついのは汚れる不快感で、そこは道具でほぼ解決できます。
毎回フルコースでなくても大丈夫!軽い汚れなら、布にクリーナーを吹いて拭くだけでもメーカーの推奨手順になっています。

3年ノーメンテからチェーン交換になった私が言うので、間違いないです。月1回だけでも、やっておくと違いますよ。
放置しがちなチェーンですが、月1回か、雨のあとだけでも意識すれば、バイクはぐっと長持ちします。
空気圧チェックと一緒に、月イチのメンテ習慣にしちゃいましょう。

チェーンがきれいになると、今度は車体の汚れが気になってきます。洗車の頻度とラクな進め方はこちらです。

ドロドロだったチェーンがピカピカになると、思ったより気持ちがいいです。無理なく、あなたのペースで続けてみてくださいね。









コメント