信号待ちで停車するとき、つま先立ちになっていませんか?
片足を伸ばしてやっと届く感じだと、停まるたびに緊張しますよね。
足つきを良くするなら、やっぱりローダウンかな…と考える方は多いはず。
ですが、バイクを低くする前に試せることが3つあるんです。
靴・ステップ・乗り方の3つを見直すだけで、足つきの不安をかなり減らすことができます。
この記事では、バイクの足つきを改善する5つの方法を、すぐ試せる順に紹介します。

カスタムパーツを使って足つきを良くする方法もご紹介します!
バイクの足つきは改善できる!
足つきを変える方法は大きく5つあります。
まずは足つきに差が出る理由と、5つの方法の全体像を見ていきましょう。
足つきにはシート高以外も大切
シート高は、地面からシートの上面までの高さのこと。カタログにある数字です。
一般的にはシートが高いと、地面までの距離が遠くなるので、足が着きにくいとされています。
ただ、シート高が低ければ足つきがいいとは限らないんです。
足つきにダイレクトに影響するところは3つあります。

例えば、KawasakiのKLX230 SHERPA Sは、シート高が825mm。足つきは悪そうですが、林道やダートなど悪路で立って運転できるよう設計されているので、サスペンションは柔らかく、シート幅は狭くなっています。
なので、またがってみると意外と足つきは気にならない、という方もいます。


シート高はあくまで目安なので、カタログの数字だけで足つきが悪いと決めつけないようにしましょう。

足つきの良さだけならアメリカンが最強です。車高が低く重心が下にあるので、安定感もバツグン。
シート高と足つきの関係は、125ccの記事でくわしく書いています。

【本題】足つきを改善する方法5つ
足つきを良くする方法を、すぐ試せる順に並べてみました。
| 方法 | 変わる量 | 費用 | 自分でできる? |
|---|---|---|---|
| ①乗り方と停まる場所 | 体感が変わる | 0円 | ○ |
| ②厚底ブーツ・インソール | 2〜5cm | 3千円〜3万円 | ○ |
| ③バックステップ | 足の位置が変わる | 1万円台〜7万円 | △ |
| ④シートで下げる | 1〜3cm | 1万円〜4万円 | △ |
| ⑤サスペンションで下げる | 2〜3cm | 0円〜25万円 | △ |
このうち上から3つは、バイク自体の高さを変えない方法、下2つがバイクの高さを変える方法です。
いきなり車高を下げると、失敗した時に取り返しがつきにくくなるため、まずは上から順に試していくことをオススメします。

私もいきなりバイクをいじったわけではなく、まずはシューズから試しました。
①乗り方と停まる場所を工夫する
どこまで足が着けば安心なのか、基準がわからないと難しいですよね。
ここでは足つきの目安と、意外と知られていない停まる場所の選び方をお話しします。
片足が地面に着けばOK
よく言われる目安は、両足のつま先が地面に着くこととされています。ですが、これは絶対ではありません!
停まるときは、左足を地面に着いて、右足はリアブレーキに置いたままになりますよね。
つまり、支えるのは基本的に片足なんです。
逆に、両足でツンツンつま先立ちするほうが、バイクの重心がぐらつきやすくなり、コケやすくなってしまいます。

教習所でも「左足から着く」と習った方も多いはず。足つきが完璧じゃなくても停まれるようにするためでもあるんです!
停まるときの足の使い方は、立ちゴケの記事にまとめています。

バイクを足で支えられるか
足つきの本質は、足が着くかどうかより、車体を支えられるかどうかです。
両足が届いてもつま先ツンツンだったら、傾いた瞬間に重さに耐えきれず立ちゴケしてしまいます。
逆に、片足の指がしっかり曲がるくらい地面に着いていれば、しっかり支えられるんです。
またがったときは、片足で車体を起こせるかを確かめることが、バイクの足つきを確認する大切なポイントです。
停まる場所も足つきのうち
足がしっかり地面に着いていれば大丈夫、ではありません!
路面をしっかり観察し、足をどこに置けば安全なのか見極める力も必要なんです。
足が滑りやすいのは、砂利・マンホール・白線・グレーチング。特に雨のあとは、マンホールや側溝の金網など、金属のところは高い確率で滑ります。

砂利の上に足を置いたら靴が滑って、うまく停まれなかったことがあります。踏ん張りが効かなくなり、かなりヒヤッとしました…。
また、地面に傾斜がついていないかもチェックしておきましょう。
傾斜があると、足をついた時にバイクのバランスが保てず、転倒しやすくなってしまいます。
特に、坂の途中で停車する場合は、バイクと自分の足が同じ高さになるよう、細心の注意をはらって停まりましょう!
また、足つきに不安がある人は、路肩に寄って縁石に足を乗せてしまいたくなりますよね。
路肩は水が流れるように少し左に傾いているため、左に寄せすぎてしまうと車体も左に傾きやすくなります。
また、ネジなど危険な部品が落ちていることが多いので、パンクのリスクが上がります。
後続の車が無理な追い越しをしてくる、自転車の通行の妨げになる可能性もあるので、なるべく路肩には寄らないでおきましょう。
②靴を変えて高さを稼ぐ
足つきを変える方法で、いちばん手軽なのがブーツを変えてしまうことです。
バイクへのカスタムは一切無く、ソールの厚みで数センチ稼ぐことができます。
ここでは厚底ブーツとインソールのメリット、厚底ブーツのデメリットを説明します。
厚底ブーツ:2cm前後稼げる
ソール(靴底)を通常より厚く作ったバイク用のブーツやシューズを履くと、約2cmくらい足つきを改善することができます。
足つき改善のためにブーツを選ぶときのポイントはつま先側が厚いかです。
停車するときに支えるのはつま先なので、かかとだけ高くても足は地面に届きません。


私が履いているのはRSタイチのDRYMASTERアローシューズ。きちんと測ったわけではないですが、かなりブーツに厚みがあるので、2cmくらいは稼げていると思います。厚みがあるタイプが好きなら、ブレイクシューズがオススメ!
他にも、ワイルドウィングの厚底スワローなどがあります。だいたい1万6千円から3万円が相場です。
女性にオススメのバイクシューズは、こちらの記事でご紹介しています。

厚底ブーツのデメリット2つ
厚底のブーツは足つきを稼げる大きなメリットがありますが、もちろんデメリットもあります。
ひとつめは、ペダル操作の感覚が変わること。
ソールが厚いぶん足先の動きが伝わりにくく、リアブレーキやシフト操作がしづらいと感じる人もいます。
ですが、数日乗れば慣れてきますし、気になるならペダルの位置を調整してもらいましょう。
ふたつめは、少し歩きにくくなること。
厚底シューズはソールが高くなる分、重心が上がって不安定になりがちです。
歩いているうちにソールが地面にこすれたり、小さい段差につまづきやすくなることもあります。
また、バイク操作がしやすいようにソールが硬めに作られています。長距離を歩くと足が痛くなりやすいので辛いかもしれません。
対策は、地面からの衝撃を抑えるインソールを敷くことや、目的地で履き替える用のスニーカーを積んでおくと安心です。

今使っているタイチのブーツはインソールが硬いので、長時間歩く時はSAGUARO(サグアロ)のベアフットシューズを持っていきます。つま先のスペースが広く、通気性がとってもいいので、リラックス用として愛用しています!
厚みのあるインソールを使う
ブーツを買い替えるお金がない…もっと安く済ませたい…という方なら、インソール(中敷き)という手もあります。
大体3,000円くらいで買えるので、ブーツ1足を買い替えるより圧倒的に安く済みます。
デメリットとしては、インソールを入れるとキツくなってしまうこと。
元からサイズに余裕があるなら問題ありませんが、キツく感じるのであれば薄手の靴下を使うか、耐えられないならブーツを買い替えることをオススメします。

かかとだけを持ち上げる半敷タイプを選ぶと、つま先のスペースを削らずに足つきを稼ぐことができますよ!
③バックステップを入れる
足つきというと、「バイクを低くする」ことばかり考えてしまいますよね。
でも、足を置くステップを変えるという手もあるんです!
ステップの位置を上げるパーツ
バックステップは、ステップ位置を後ろかつ上に移動させるカスタムパーツ。
本来の目的は、前傾姿勢でスポーツ走行しやすくすること、深くバンクさせるためにステップの位置を変えることです。
ノーマルのステップは足が地面と平行になるのに対して、バックステップはつま先が下がったポジションになります。
レース車両っぽい見た目になるので、ドレスアップ目的で入れる人も多い、ロマンあふれるカスタムパーツです。
足の置き場所は足つきにも影響
ステップが上がると、右足を置く位置も自然と高くなります。
右足はステップに置いたままリアブレーキを踏んでいられるので、腰をずらして左足を地面に近づけやすくなるんです。

イメージとしては滑車に近いです。片方の位置が高くなれば、もう一方は位置が下がりますよね!
バックステップで変わった低身長の夫の話
夫はYZF-R6乗りで、身長は167cm。男性の中ではどちらかというと低いほうです。
実は夫が乗っているR6は北米仕様。両足つま先ツンツンで、足つきは最悪なんです。

(当時スニーカーですが、その後ライディングブーツ買ってます)
その夫が入れたのが、ベビーフェイスのバックステップ。R6用で61,679円ほどです。
ベビーフェイスは一番角度がつくらしく、それを一番高い位置・一番後ろまで下げて使っています。

まるで土下座をしながらバイクに乗っているようなカッコに見えるんですが、本人はケロッとしたもの。
足つきは、信号待ちで左足がしっかり着くようになったそうです。
バックステップのデメリット
足つきや見た目が良くなるメリットもあるバックステップですが、もちろんデメリットもあります。
- 前傾が強くなり、長距離で腰や手首が疲れる
- アップハンドルの車体だと上半身と下半身がちぐはぐになる
- レース専用品など、車検に対応していない製品もある
- シングルタイプを選ぶとタンデムができなくなる
シングルバックステップは、タンデムステップが付属しないタイプです。つまり、誰かを後ろに乗せることができません。
後ろに人を乗せる予定があるなら、タンデムステップが残るタイプを選んでくださいね。

私たち夫婦は二人ともライダーなので、タンデムは要らないという判断でした。私のR3はタンデムステップがあるので、息子を乗せて走るなら問題ありません。
予算が無いならセットバックプレート
4万円も6万円も出せないという方は、セットバックプレートという選択肢があります。
ステップの位置だけをずらすプレートで、バックステップほど細かく調整はできませんが、ポジションを上げる効果は得られます。
ベビーフェイスだと11,000円から13,200円ほどなので、予算をおさえてステップの位置だけずらしたいという人は、まずはここから試してみるのもアリです!
④シートで下げる
おそらく多くの方が思いつくであろう、シートそのものを低くする方法です。
車高は変えずに座面だけ下げるので、走りへの影響が小さいのが大きなメリット。
シートを調整する方法として、アンコ抜きとローシートの2つのやり方を見ていきましょう。
アンコ抜き:10mm下がる
アンコ抜きは、シートの中のスポンジを削って座面を低くする加工のことです。
- シートを車体から外す
- 表皮を留めているホチキスをはがす
- 中のスポンジをカッターなどで削る
- タッカーで表皮を留め直す
特殊な工具は要りませんし、根気があれば10mmは下がります。

スポンジがモロモロ発生するので、必ず外で作業するのと、スポンジを吸い込まないようマスクをしてくださいね!
角を削って足つきが良くなることも
足つきが悪い原因は、シートが高いことだけではありません。
シートの形が原因で、股関節が開いて脚を真っ直ぐ下ろせていないケースも多いんです。
だから、座面を低くするより先に、シートの角を落とすことで、足つきが大きく変わることもあります。
ですが削りすぎは禁物!座り心地が悪くなりますし、皮がきれいに張れなくなります。

アンコ抜きはスポンジを抜く行為なので、長距離でお尻が痛くなりやすいという話もあるようです。
自信がないならシート屋さんへ
失敗したくないなら、シート加工の専門店に頼むのが確実です。
データをもとに、削る量や形を提案してくれます。
足つきをチェックしながらシートを作ってくれるお店もあるので、実車を持ち込めるなら相談してみましょう。

調べてみたところ、予算は4万円前後まで見ておけば安心です。
ローシートなら元に戻せる
もうひとつオススメしたいのが、ローダウンシートへの交換。
純正オプションや社外品で色んなシートが販売されています。
ローシートを買う最大のメリットは、純正シートを取っておけること。
売るときに戻せますし、「やっぱり合わなかった」となっても元に戻せばよいだけ。
削るのが不安な方は、まずシートが出ているか調べてみてください。

夫はグロムのシートを社外シートに変えた結果、純正シートより1cmくらい低いそうです。ただ、絶望的にお尻が痛くなってしまい、ゲルザブを使用してなんとか耐えています…。
⑤サスペンションで下げる
ここまでの方法で足りなかったときの、最後の手段です。
サスペンションで車高を下げると、2〜3cmくらい変わります。
ですが、下げすぎると走りに影響が出ます。順番と限度を知ってから手をつけましょう。
プリロードを調整する
プリロードは、サスペンションのバネをあらかじめ縮めておく力のこと。
この力を抜く(弱める)と、バネが縮みやすくなり、またがったときに車体が沈んで足つきが良くなるというわけです。
本来は加減速やコーナリングのときの動きを調整するための機構ですが、一般的なツーリング程度では足つきの改善に大いに役立ちます。
回す方向はサスペンションによって違うので、必ず取扱説明書を確認してくださいね。

サスペンションの専用工具が必要になる場合があるので、手持ちになければバイク屋さんへ依頼しましょう!
フロントフォークの調整は10mmまで
フロントフォーク(前輪を支えている2本の筒)を上に突き出すと、前側の車高が下がります。
ですが、こちらはコーナリングや直進安定性への影響が大きい方法。突き出す量は10mm程度までが目安とされています。
整備書がないと調整できないので、自己判断せずバイク屋さんに相談しましょう。
ローダウンリンクは複雑
リンクは、車体とリアショックをつないでいる部分のパーツ。
これを長さの違うものに交換して車高を下げるのが、ローダウンリンクです。車種別の専用部品になります。
バイク自体の高さを変えてしまうので、一番効果があります。
ではローダウンリンクを絶対に導入すべきかというと、答えはNO。
- ノーマルのサイドスタンドが使えなくなる
- フロントサスペンションの調整が必要になる
- 下げられる高さに上限がある
しかも車体を浮かせないと取り付けできないので、作業の難易度は高めです。自力でやらず、バイク屋さんへお願いしましょう。

車種によって工賃がかなり変わるので、先に見積もりを出してもらうことをオススメします。
下げていいのは20mmまで
メーカーは、タイヤのサイズ・フレームの寸法・サスペンションの長さを細かく決めて、人が乗ったときに最適なバランスになるよう設計しています。
車高を下げるのは、メーカーが決めた理想のバランスを崩す作業でもあるんです。
重心が下がりすぎると、車体を倒し込みにくくなって曲がりにくいバイクになります。
さらに怖いのが、リアだけを大きく下げたとき。
常にリア荷重になってフロントの荷重が抜けるので、カーブに入ったところでフロントタイヤが滑ることがあります。

停車中に足つきが悪くて立ちゴケするのと、走行中にバイクが曲がらなくて転倒するのと、どっちが危険か…言うまでもないですよね。
バランスを崩さない範囲は、前後あわせて20mm(2cm)までが目安とされています。
つま先しか届かなかった人なら、2cm下げれば足つきはかなり変わります。
そして2cmくらいなら、プリロードとフロントフォークの調整だけで届く範囲です。

パーツを買い足す前に、まずはセッティングでどこまで下がるかバイク屋さんへ相談してみてください。
それでも足が届かなかったら
5つを試してみれば、きっと足つきが良くなっているはず。
でも、それでも足がつかない場合、足がつかないバイクに乗るのは安全面でオススメできません。
足つきで乗りたいバイクを諦めた話
私が大型免許を取るきっかけになったのが、ホンダのアフリカツインでした。
でも、実際にまたがってみて、足つきは感覚で10cmくらい足りず、車体もめちゃくちゃ重い。
無理してでも乗ろう!とは全く思いませんでした。

夫には「モデルさんじゃないと安心して乗れないと思う…」と言われ、妙に納得した記憶があります…
小さいバイクからスタートする
足つきの不安の正体は、片足でバイクの重さを支えられるかどうかでしたよね。
だったら、小排気量のバイクを選んで車体を軽くするのが確実です。
軽い車体なら、つま先立ちでも支えられます。排気量を下げると、選べる車種もぐっと増えます。

無理をして取り返しがつかなくなるより、憧れは憧れのままにしておくのも、素敵な選択だと思いますよ。
まとめ!足つきは諦めなくていい
足つきが不安な人のために、足つき改善の方法をご紹介してきました。
- ①乗り方と停まる場所を工夫する
- ②靴を変えて高さを稼ぐ
- ③バックステップを入れる
- ④シートで下げる
- ⑤サスペンションで下げる
いま困っている度合いで、どこから手をつけるか選んでみてください。
- 今すぐなんとかしたい:停まる場所を変える(0円)
- お金をかけずに数cm稼ぎたい:厚底ブーツ
- 走りも一緒に変えたい:バックステップ
- それでも足りない:シート、最後にサスペンション
大切なのはいきなりバイクの車体自体を低くしないこと。
停車中の立ちゴケが怖くて車高を下げすぎると、今度は走行中に曲がらないバイクになってしまいます。
そして、両足を着く必要はありません!
片足の指がしっかり曲がるくらい着いていれば、片足でバイクを支えられます。
どうしても届かないなら、軽い車体に乗り換えるのも、諦めるのも立派な選択。
小さいバイクへの乗り換えについては、コチラで足つきの良い125ccバイクを紹介しています!



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